062:発売記念イベント!!

かれこれ20年ほど海豹舎に従業員(スタッフ)はいないのです。昨冬は20年ぶりの従業員として白木哲朗くんが手伝ってくれていたんだけど、春になると美瑛に戻り、今は農業人として立派に働いているので、今回の新刊もすべてひとりで納品やら発送やらをしている。著者がイラストや装丁や編集や撮影をすべて自分でやっている、というだけでも結構珍しいのに、取次対応を含め120店舗以上の書店営業から受注、納品、発送まですべてやっている著者となると、全国でただひとりではなかろうか。今でも、納品する度に書店員さんから「本当に本人が納品するんですね」と驚かれてしまうからね。そんな文字通りの手作り本なので愛情たっぷりです。「函舘本線へなちょこ旅4」、まだの人はお情けで買ってね。
という宣伝をしたかったのではないのだよ。今回書きたかったのはイベントについてなのでした。海豹舎の販売戦略は・・・ひとり黙々と本を作る⇒⇒⇒いくつかの書店で発売記念イベントを開催してはじける⇒⇒⇒ファンサービスとして1年に1回ぐらいゲストを招いて大きなイベントをする・・・という感じでやってきたわけで、このホームページの「スタッフ通信」のスタッフたちも、何を隠そう、「イベントスタッフ」のことだったりするのです。本づくりと違って、イベントは多くの仲間たちの協力とノリと知恵と愛嬌と腕力が必要なので、お揃いのTシャツを着てはイベントを手伝ってくれる助っ人たちを「スタッフ」と呼んでいるのです。なので、コロナ禍でイベント開催がままならないとなると、みんなと顔を合わす機会もないわけです。いい旅17、へなちょこ4と立て続けにイベントなし。寂しい限りです。
ほら、ミュージシャンはアルバムを出したらライブツアーに出るでしょ。「出版はROCKだ」を合言葉に、ミュージシャンノリでやってきた出版社なので、しかも、開催するイベントのポリシーは「椅子席じゃなくて桟敷にぎゅうぎゅう詰め」という、えっ、この会場にそんなに入るの!?、という高密度命で、スカスカな空間でやる気なんてハナからないので、今はじーっと大人しくして風向きが変わるのを待つしかないのでありますね。え? もう風向きは変わらないよ、ってかい。高密度イベントが二度とできない世界なんて想像したくないから黙ってておくれよ。ただ、本を出すだけの出版社なんてやりたくないんだよ。
とある温泉の脱衣場にあるメッセージボードに「コロナなんてただの風邪だ」と書いたのが貼ってある。誰かがその文字の上から×を書いて「死ね」と書いている。どっちもバカだけど、これが現実なんだね。ネットで自分にとって都合のいい情報しか収集しない連中が両極端に走っている。そもそも病気や死を「悪」と捉える発想がさもしい。安倍の病気退任には同情が集まったのに、芸能人のコロナ感染には批判が集まる。おれにはその違いの意味がわからない。どちらも予防できただろうし、どちらも何かを失っただろうし。
おれがウイルスだったら、生き残るためにこう考えるだろう。「人類を死滅させることは自分たちの滅亡につながるので、決して人類は死滅させない。そのためには軽症化や無症状化して生き残る。もしワクチンを作られたら形を変えて生き残る。とにかく生き残る」。つまり、ほかのウイルスと同じでコロナウイルスも永遠に撲滅なんてできないのだよ。共存しかないのさ。何をどう頑張ってもコロナウイルスが生き残るのだとしたら、なし崩し的に息苦しい世界にシフトするのはもうやめて、売れないミュージシャンの小さなライブや、若手噺家の濃密寄席や、三流旅作家のアットホームトークイベントができるのほほんとした世界を選択するのもまた人類の覚悟だと思うなり。覚悟なき恐怖は永遠に終わらないよ。そんな独り言。あ、へなちょこ4よろしくね!!

今回も最後に脱力系動画を1本。GoProを買ったのがうれしくて、こんな撮影もしてみました、ということで、共和町のかかしの里を手持ちGoProで歩いてみたのです。ほかのお客さんを映さないように遠慮しながら撮ったので、時々イラッとするアングルになるけど、許しておくれ。