●定山渓のホテル山水を貸し切って、あざらしの大好きな噺家やミュージシャンを招いて開催した湯けむりイベント「かっぱ寄席」。疲れるばかりで一円も儲からないのに、函館あたりでまたやりたくなってきているのだよ。いつものように、落語大好きエッセイストの亀和田武さんも招いて、あざらしイチオシの噺家と、あと、沖縄のミュージシャンと・・・って書いたところで、そういえば、どうやって生活しているのだろうと心配になったのが、「やちむん」こと奈須重樹のことなり。
●というのは奈須家、次男きしんくんが京都の大学に入学したばかりだし、三男たいりんくんは高校生、さらに下に妹もいるしと何かといりようなのに、父さんがやちむん、母さんが比屋定篤子ちゃんという夫婦そろってミュージシャンで生計を立てていて、収入の大半はライブ収入なのよ。コロナ自粛とどう折り合いをつけているのだろうと心配して電話をかけたら、笑っちゃったなぁ。
●奈須さんの話をかいつまむと、こーいうことなり。奥さんの比屋定篤子ちゃんは東京でのライブも含めて、すべて自主的に中止にしたので、月収0円なのに対して、やちむん奈須さんは、店が自粛すると決めたら従うし、決行すると決めてももちろん従うという「すべて受け入れる主義」で活動中なわけで、先月も、移動規制もなんのそので、バンコクでのライブを予定通りに決行して、8日間で3万バーツを稼いで帰国。5月に入ってからも金沢、富山、名古屋と一週間のライブツアーを予定通りに決行。金沢、富山は「宣伝なしのごくごく身内だけ」ということになって交通費ぐらいしか稼げなかったけど、名古屋は無観客での配信ライブに切り替えたため、10万円以上儲かったそうな。
●笑っちゃったのはこのあとなのよ。奥さんの比屋定篤子ちゃんから2週間家に入ることを禁止されて、今、那覇の国際通り近くの一泊1600円のゲストハウスで寝泊まりしているんですと。2週間もゲストハウスに缶詰なんて、さぞかしへこんでいるだろうと思ったら、ご機嫌だったりして。「進学のために18歳で沖縄に来てから56歳になるまで40年近く沖縄で暮らしているけど、旅人気分で那覇を歩いたことなんて一度もなかったので、なんだか楽しくて」ということで、奈須さん、もともとカメラマンだっただけに、人通りのなくなった国際通りの写真を撮影したり、沖映通りのジュンク堂に行って写真集を眺めたりしていたんだけど、我慢できなくなっちゃったんだろうね。少し前から国際通りで路上ライブを始めたんですと。
●夜7時半ごろから酔っ払いにからまれながらも唄い始めると、初日は500円、2日目は666円、3日目は1000円と投げ銭が増えてきているので、次は一泊分の宿賃ぐらい稼げるのではないかと楽しそうに話すのよ。罪がないなぁ。
●でも、奈須さん、路上ライブをするのは二十数年ぶりで、もう一生しないと思っていたそうな。でも「路上に戻るチャンスは今しかない」と思って、路上に立ったんですと。かっこいいなぁ。56歳で路上に戻るのは勇気がいたでしょ。すげーな。おれにはできないな。ミュージシャンでもないけどさ。
●よし、決めたよ。かっぱ寄席の復活一発目の音楽ゲストは、きいやま商店じゃなくて、やちむんにするよ。その時は封印したあの曲も頼むぜ。というわけで、あの曲の動画を用意したのだ。本人の許可を得て流す動画はやちむんの代表曲にして今年3月の誕生日ライブで封印した曲「一生売れない心の準備はできているか」。桜坂のドラミンゴというbarで開催されたLIVEの模様なり。懐かしいな、ドラミンゴ。ドラムの彼の店だったんよね。桜坂は夜10時とか12時とか遅い時間から始めて早朝まで営業しているbarが多かったし、あと、オカマちゃんも多かったので、かなりディープな飲み屋街だったんよ。今はどうなっているのかな。沖縄、行きたいな。あんたもだろ。コロナ終息後は爆発的に旅行ブームになるってのがおいらの予測なり。
●今回も我が家の庭で撮影した野鳥の動画を一本。家の中にあるカエルくん(昔、ひとりで旅している時に助手席に誰か乗ってほしいなぁと思っていたら、フォーレスト276で大きなカエルを見つけたので、衝動買いしたのだ)から、すぐ近くの窓の下にいる山鳩くんとスズメたちとカワラヒワたちね。普通の鳩はずうずうしくて小さな野鳥たちのエサを横取りするから、エアガンで撃ちたくなるほど嫌いだけど、山鳩さんは見ての通り、小さな野鳥たちととても仲良しなので大好きなんだ。鳴き声も鳩とは全く違うフクロウみたいな鳴き声で癒されるしね。