031:2018年4月の東北旅日記1日目~5400円で東北に着きました!!byひなこ(40歳になっちゃいました)

札幌八戸なかよしきっぷを使って東北に旅行しました。札幌八戸なかよし切符は、札幌~苫小牧フェリーターミナル間の高速バスと、苫小牧~八戸のフェリーがセットで5,400円というお得な切符で、時間帯を選べば、寝ているうちに八戸に到着します。目が覚めたら、全然知らない土地に着いているというのはなんだか嬉しいです。
まず初日。仕事を終えて、コインロッカーに入れておいたスーツケースを持って、札幌駅からバスに乗り、苫小牧からフェリーに乗って、八戸のフェリーターミナルに到着したのが朝の7時30分でした。それからシャトルバスで本八戸へ行ってJRの八戸線で八戸へ、そこからさらに「青い森鉄道」に乗って9時22分に小川原駅に着きました。そういえば、今回は上北町を拠点に動いたせいか「青い森鉄道」ばかり乗っていました。時々車掌さんがいたのが新鮮でした。

小川原駅は小さな無人駅で、駅を出ると目と鼻の先に、最初の目的地の「姉戸川温泉」があります。左右に一つずつ温泉マークが書かれたドアを開けて中にはいると、古いけれど清潔な広々とした受付と、入って左手に休憩用のソファとテーブル。寝転んで休めるよう畳が敷かれています。受付は無人だったので、何度か「すみませぇ~ん!」と呼びかけると、大柄なおじさんが出てきて「いらっしゃい、お風呂?どうぞ」と言ってくれました。
入浴料200円を払って脱衣所へ行くと無人です。浴室も人がいない様子です。貸しきりだぁ~♪と中に入ると、縦長の大きな浴槽の端ではパイプからざばざばと打たせ湯のようにお湯が豪快に流れ落ちています。壁にずらりと並んだカランは何個か壊れていて、そこからひっきりなしにお湯が流れ続けています。入ってみると、少し緑がかったスベスベしたお湯が気持ちいいです。打たせ湯側から半分は座ると肩までつかるくらいの深さ、もう半分はうつ伏せになったらお尻の半分が出るくらいの寝湯にちょうどいいくらいの深さになっています。湯温はぬるめで温水プールくらい。38度くらいかな?肩まで浸かって温まり、気が向いたら腹ばいになって浅いところにつつーっと滑っていきます。つるつるとよく滑る温泉なので、小樽水族館のトドかアザラシになった気分です。

寝転びながら浴槽のヘリに頬を着けて流れていくお湯をぼんやりしながら「帰る前に絶対また来よう」と考えていると、おばあちゃんが入って来ました。ここが大好きで、毎週八戸から来ているという話や、お湯が熱くなくていつまででも入っていられるから常連さんとよく長話をしているとか、怪我をしたら治りが良くなるの♪とか、孫の相手に疲れたらここで癒されるの~ということなどを沢山おしゃべりしました。
汽車が1時間に一本くらいしかないので、小川原を出たのは11時51分でした。お腹が空いたので、汽車で三沢駅へ移動です。以前行こうとしたけれど、お休みで行けなかった「きらく亭」か駅の近くにある寂れた蕎麦屋に行くつもりでした。三沢はごはんだけの予定でしたが、三沢駅に寺山修司記念館の企画展のチラシが…。昨年おこなった市街劇の写真展が今日までやっています。ちなみに次の週は竹宮恵子のイベントでした。そっちも見たかった…。
寺山修司記念館はシャトルバスに乗らないと辛い距離です。ご飯を食べた後に程よくバスがあれば行こうと決め、きらく亭へ。三沢では「寺山食堂」という企画で、一部のお店で寺山修司ゆかりのメニューが食べられます。その店舗で一番駅に近いのがきらく亭でした。早速「天井桟敷ラーメン」という天井桟敷が海外遠征にいった時に、ラーメンが食べたいけれど中華麺が手に入りづらかったのでパスタで代用して作ったというエピソードが由来のメニューを注文。あっさり目の醤油味で和風スープパスタみたいでした。
寺山食堂跡や寺山修司が隠れんぼをした場所の跡地をぶらぶらして、ほどよくバスの時間が来たので寺山修司記念館へ。市街劇の展示はとても楽しそうでした。いいなぁ、参加したかったなぁ…。時間は短めでしたが、企画展と、常設展の中で特に好きな小学校時代の学級新聞を眺めてから再びバスに乗り三沢駅へ戻って、次は上北町駅へ。
上北町は温泉銭湯が点在しています。今回はその中の、玉勝温泉という温泉銭湯の別館に泊まりました。素泊まり2,500円、湯治2,000円(2人以上だと1,800円)の古びた宿です。ここはネットでの予約はしていなかったので生まれて初めて電話で宿を予約しました。チェックインの時間を聞き忘れていたので前日に電話をしたところ、「いつでも良いですよ~いつ頃来ます?」「じゃあ夕方頃でお願いします」「夕方ねぇ~お待ちしてます~」というゆるいやりとりをしていたので、16時少し前にチェックイン。玉勝温泉は、元々銭湯で、後に別館として宿泊施設が建ったそうです。銭湯の番台で鍵を受け取り、向かいに建っている宿に入ろうとしたところ、気になるものがありました。宿の隣は薬局になっているのですが、薬局前の地面に洗面器が置いてあり、傍には蛇口がぴょこんと出ています。蛇口からはお湯が出て洗面器から地面に流れ落ちていました。何だろう、とお湯に手を浸していると、薬局からほっかむりをした小さなおばあちゃんが出てきて「泊まりの人?」と話しかけてきました。宿の管理人さんでした。蛇口の事を訊ねると、「温泉だよ~」「昭和の宿だからねぇ」とにこにこしていました。

宿はこじんまりとした古い建物で、入ってすぐに管理人室、その隣の部屋が私の泊まる部屋でした。ドアの前に表札のように私の名前がでかでかと貼ってあったのが少し恥ずかしかったです。部屋は布団を1組敷いて、小さな机とカラーボックス、テレビを置いたらいっぱいになるような広さで、床にはゴザが敷かれています。窓はありますが、外の光は殆ど入ってきていませんでした。 3月末ですが、まだまだ寒かったので早速浴衣に着替えてお風呂場へ。脱衣所には木製の棚と洗面台がわりの流し台、洋式トイレと和式トイレがひとつずつ。風呂場への引き戸をガラガラと開けると、短いトンネルのようになっていました。
トンネルを抜けると小さめの浴槽があり、シャワーはなく、カランが並んでいます。外が寒かったせいか黄緑がかったお湯は、とても熱く感じました。まだ時間が早めだったので、お風呂で身体を温めたらすぐに近所を探検です。道の駅への看板が出ていたので行ってみる事に。迷いながらも15分程歩くと「道の駅おがわら湖 湖遊館」隣には「交流センター宝湖館」があります。
交流センターにも温泉と温水プールがありましたが、宿で温泉に入ったばかりなので今回は入りませんでした。道の駅は閉店時間が近かったせいか、品数は少なかったけれど、野菜やお惣菜や、小川原湖名産のシジミ等が売られています。シジミは潮汁が4人分できるくらいの量がネットに入って、400円、粒が大きめサイズのものは600円でした。せっかく自炊設備があるので、朝食用に400円の方を購入。小腹が空いたので柔らかい南部煎餅に赤飯を挟んだものもオヤツに買い、近くのスーパーで飲み物等を仕入れて宿に戻りました。オヤツを食べて少し休んで夕食を食べる所を色々探そうと思いましたが、うっすら甘く優しい味の赤飯サンドを食べたら中途半端にお腹がいっぱいに。3月末ですが夜はまだまだ寒いです。結局宿から一番近い居酒屋「遊山海」で軽く食べる事に。比較的広い店内に入り、鴨タタキとビールを一杯。美味しいけれどちょっと物足りなかったので卵焼きを頼んだら2~3人で食べてちょうどいいサイズが出てきました。はちきれそうなお腹を抱えながら宿に戻り、お風呂に入った後で明日の計画をたてよう…と考えつつ布団でごろごろしていたら、そのまま寝てしまいました。