017:コスプレ大好きchisaの映画日記その7・・・スケアリー・ストーリーズ

こんにちは。最近「禍話」という怖い話のアーカイブを聴いているchisaです。時々youtubeで怖い話を聞くのですが、「禍話は怖い!」いう噂があったので聞いてみたら…まず語り口が普通に酒場で友達に話しているような口調なんです。へらへらとした、でもほんの少しだけきつい口調で歯切れよく語られるお話が凄く怖い!怖い話をする感じの口調ではないけれど油断はできません。昼間のおひさまの下で聴いていても、人ごみの中でイヤホンで聴いていても震え上がります。しかも嫌なのが必ず「呪う」って言って終わるんです。さらりと普通に言うからなお怖い!いつもこの言葉が出る前に停止をするようにしています。でも怖い話が終わってちょっと雑談をして終わる時は余裕を持って聴くのをやめられるから良いのですが、困るのが「じゃあ最後にね、短い話を一つ」と最後の5分くらいに短い話をして終わる時です!あの言葉(もうキーボードで打つのも怖い!深夜に書かなければ良かった…)は怖いけど、お話は最後まで聞きたい…もうチキンレースです。そういえば、小さい頃「ゲゲゲの鬼太郎」のエンディングの最後の最後が怖くて苦手でした。何期かな?夢子ちゃんっていうオリジナルのヒロインが出ている期です。鬼太郎と猫娘が歌に合わせて交互にしゃがんだり伸びたりして、歌がフェードアウトしていった後、おもむろに「カッ!!」とテレビの画面いっぱいにおどろおどろしい妖怪の絵が出て終わるんです。その絵がもう怖くて怖くて…でも鬼太郎と猫娘はずっと見ていたいから、これもチキンレースです。間違えて妖怪を見てしまった日は眠れませんでした。ちなみに禍話ですが、ツイキャス(あんまり仕組みはわかりませんが、動画?の配信のサービス)での配信を週一回行っていて、開始前にスマホに通知が来るようにしているのですが、怖くて未だにリアルタイムでは聴けません。もう通知が来るだけで怖い!でもほんのちょっとだけなら…とアーカイブでついつい聴いてしまいます。
今週は「スケアリー・ストーリーズ」を見にユナイテッドシネマに行ったのですが「ミッドサマー」のパンフレットが置いてました! 薄いながらも劇中で出てきた壁画やポスターに使われていたヒグチユウコさんのイラストも入っていて嬉しいです💛
劇中で出てきたルーン文字もパンフレットに書かれています、解読できたらもっと楽しいんだろうなぁ。ちょっと勉強してみようかな。という事で、今回は「スケアリー・ストーリーズ」です。「パンズ・ラビリンス」「シェイプ・オブ・ウォーター」のギレルモ・デルトロが、同タイトルの児童書シリーズをもとに原案・企画・製作。監督は「ジェーン・ドゥの解剖」アンドレ・ウーヴ・レタル。舞台は1968年のアメリカの小さな町。ハロウィンの夜に小説家志望の高校生の少女とその友人達は、幽霊屋敷に肝試しに訪れます。そこで怖い話が綴られた本を見つけます。家に戻りその本を開くと文字が次々と浮かびあがり物語が綴られます。綴られた数々の恐ろしい物語は次々と現実になり、主人公たちは本を止めるべく本の持ち主だった少女の過去を調べ上げる事になる…というお話です。
本の謎に立ち向かうのは父親と2人で暮らしているホラー作家志望のステラ、お調子者のチャック(いじめっ子に自前のう○こ爆弾を投げるシーンは最高です)チャックの姉に密かに思いを寄せている臆病者のオギー、チャックの姉ルース、不良から逃げていたステラ達を偶然助けた流れもののラモンの6人。「彼女は嫌いじゃないけど、僕たちは彼女の好みのタイプじゃないよぉ」とオギーとチャックが話すシーンがかわいらしい💛
母親の失踪は自分の責任かもしれないという罪悪感や年老いた父親を抱える主人公を気にかけるけれど、距離が近くなりすぎない所も素敵。思春期の女の子や男の子たちが結束したり離れたりをするっていうのはいいですね。IT(テレビ映画の方)や、大長編ドラえもんを何となく思い浮かべてしまいました。4人が幽霊屋敷の謎を調べるべく、コーラを片手に新聞記事を調べるシーンなんかも大好き。
原作は「スケアリーストーリーズ 怖い本」といって、アメリカで語り継がれている怖い話や伝承を集めて編集した児童書です。日本で言うと、子供たちが「最初に自分から触れる怖い話」という事で松谷みよ子編集の「怪談レストラン」みたいな感じなのかなぁ?一遍一遍の話は短いですが、パンフレットによると「ここで叫ぶ」「隣の人に飛びつく」など、読み聞かせの時の説明があるみたいです(ちょっとビスケット君を思い出しました)そして挿絵がとっても…とっても魅力的です💛
パンフレットやインターネットで確認できる数点のイラストしか見たことがないのですが、モノクロのイラストで、グレーの風合いが美しい、けれど夢に出てきそうに怖いイラストです。小さな頃に出合ってお布団の中でドキドキしながら読んだり、恐怖で眠れなくなったりしたかった…!ちなみに今年の1月に日本でも1巻が発売されましたが、イラストは可愛らしいものに変っていました。残念…。
ステラが本を開くと、不気味な話が浮かび上がり仲間達が恐怖にさらされるのですが、原作がごく短い話のオムニバスという事もあるせいか、1つ1つの恐怖が短く印象的です。派手なゴアシーンも無く音も抑えめですが、目をつむって耳をふさぎたくなる程怖いです。じりじりと近寄る化け物から隠れる場面では、まるで注射針でちくっとされる瞬間を待つ時みたいなドキドキがありました💛 化け物のデザインも素敵。見てのお楽しみなので詳しくは書けませんが、予告編に出ていた「青白い女」は不意に目に入るとぎくりとするような風貌です。よく見ると少し愛嬌を感じる顔や、そっと触ってみたくなるような肌も素敵です。ひんやりと柔らかいのでしょうか、熱で少し弛んだ蝋のような手触りかなぁ。これも多くは言えませんが、この化け物が出て来る場面のクライマックスがすごく好き。すごく怖いけれども気持ちが良さそうなんです。私もあんな事されたい…💛
そして良いなと思ったのは、最初は肝試しで幽霊屋敷に行くのですが、謎を解くために屋敷の、本の作者である少女の真実を紐解いてゆく所です。劇薬のように、ひたすら怖さしかないお話ももちろん大好きけれど、丁寧に底を攫っていくと、優しさや悲しさが実は隠れている…というお話も同じくらい大好きです。エンディングでは胸がいっぱいになって、久し振りに映画館で泣いちゃいました。
ギレルモ・デルトロの孤独な少女の昏いお伽話の要素と、アンドレ・ウーヴ・レタル監督の静かで鋭い恐怖が絶妙にかみ合っていて、もう好きな要素ばかりで、見終えた数日経った今も、まだ一人で盛り上がっている「スケアリー・ストーリーズ」でした。イラストやメイキング(化け物は全て作り物で人が中に入っているそうです)とかもっと見たいなぁ…と思っていたら2,000部限定でビジュアルノベライズが出ていました!油断していたら「ギレルモ・デルトロ創作ノート 驚異の部屋」みたいに新品じゃ手に入らない…!!という事になる気がするので、週末にでも本屋さんで探してみたいと思います💛