040:根室国喰奴記(ねむろのくにくうどき)花咲編byどぶろく稔

国道44号線はJR糸魚沢駅を過ぎると花咲線(根室本線)と並走するようになった。早くも冬枯れ感のある別寒辺牛はアフリカのサバンナの様にも感じられる。銀色に赤いラインの気動車を、六角精児さんを乗せて走っては来ないかと目を凝らして見たりした。カラオケ♪で六角精児バンド『お父さんが嘘をついた』たまに♪歌ってます。(^^♪
道の駅スワン44ねむろでトイレタイム。風連湖に面して建てられたガラス張りの建物は明るく清潔で清々しい。息子が『ひらく!フタつき貝マスコット』のガチャポンを見つけたのでヤッてみる。厚岸の記念に牡蠣のヤツが欲しいのだ。3回でも当らず(帆立x2・栄螺x1)涙をのんだ。後に札幌の西友で発見し『焼き牡蠣バージョン』をゲット!和装の根付の代わりにしよっかな(笑)。
9:50、根室車石駐車場到着。車石をモチーフにしたトイレ横の遊歩道を下って行くと紅白の花咲灯台が迎えてくれる。見晴らす一帯はゴツゴツした玄武岩の岩場なので、どれが車石なのか直ぐには分からなかった。ん?階段の設けられた磯辺への遊歩道をたどり仰ぎ見ると、既に入浴されておりました千と千尋のオクサレ様・・じゃなかった『車石』。枕を横から見た形(円形)に似ていることから枕状溶岩(まくらじょうようがん)と云い、それには放射状の割れ目があるので、車輪にみたて『車石』と呼ぶのだそうです。ドロドロの溶岩かぁまんざらオクサレ様と無関係でも無かったなぁ(笑)。でも、周りは玄武岩だらけなのに、どうして部分的に円い所が出来るんでしょうかねぇ?いい旅スタッフのスーさん教えて下され。

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沖合には立入禁止の無人島、ユルリ島・モユルリ島が見える。北海道の天然記念物でもあるユルリ島には、昭和20年代に昆布干しの労力として運び込まれた馬が野生化して、最盛期には16~30頭程が生息していた。その後2017年に3頭にまで減ったのを受け、2018年『根室・落石地区と幻の島ユルリを考える会』がクラウドファンディングに依って3頭を買い求め移入した。なので現在は合わせて6頭の馬が暮らしているそうな。あざらし番長を筆頭に競馬愛好家の皆さん!儲けた暁には是非とも募金しましょうね!(現在は達成につき終了)
花咲灯台の眼下には秋刀魚の水揚げ日本一の花咲港が見える。そして何と言っても地域名の冠された花咲ガニの港として有名ですね。やっぱりデコボコの岩場が花咲ガニには過ごし易いのでしょうか。昆布の生息域で採れるので地元ではコンブガニとも呼ばれているんだとか。昔、小学校低学年の頃、近所の友だちが「赤灯台の石の所に毛蟹がいるどぉ~」と呼びに来た。大至急バケツやらタモ網やら持って海に行った。そしたら揺れる昆布の中にでっかい蟹が何匹も見える。あの頃は泳げなくて怖かったけど、えらく興奮して必死で一匹捕まえた。海藻を入れて大急ぎで持ち帰り、大好きだったおじいちゃんに「ほんとに毛蟹だったよぉ~!」と勇んで見せた。気のどくな毛蟹は食べられる事もなく、ブリキのバケツで生きていたが何日後かに死んでしまった。バケツの海水は色々と餌に成りそうな物をあげたので濁っていた。そして、ばあちゃんの紫蘇を植えてある花壇の隅っこに埋めて、アイスクリームの棒っ子でお墓を立ててあげた。確か台風の翌朝だっだと思うんだけど今でも不思議な想い出の一つです。
直ぐ近くの『根室市歴史と自然の資料館』に立寄る。1942年(昭和17)に大湊海軍通信隊根室分遣所として建設されたレンガの建物だ。件のノッカマップは『国指定史跡・根室半島チャシ跡群』を構成する24ヶ所の一つで、それらチャシ跡群は日本城郭協会が定める『日本100名城』として[お城番号1番]に選定されてもいる。『チャシ』とは明治の郷土史家“北海道の生き字引”と呼ばれた河野常吉翁の論文名を拝借すれば「チャシ即ち蝦夷の砦」と云う事に成ります。その他の日本100名城・北海道代表は皆さんお察しの通り『五稜郭』と『松前城』です。それらを合せて3ヶ所と成ります。ついでながら『続日本100名城』ってぇのも追随しまして、道南の『志苔館』『上ノ国勝山館』の2ヶ所が選ばれております。『志苔館』は和人対アイヌ民族、初の大々的な戦闘『コシャマインの戦い』で道南十二館中、最初に陥落した小林良景の根拠で、付近からは国の重要文化財指定の37万枚に及ぶ古銭(主に北宋銭)が出土している。『コシャマインの戦い』で落城を免れたのは、安東師季の茂別館と蠣崎季繁の花沢舘の2舘だけで、コシャマイン勢を鎮圧した花沢舘の客将・武田信弘は勲功により蠣崎季繁の養子と成った。その上で11年後に築いたのが『勝山館』である。信弘は後に松前と改名し一族の基盤を作ったので松前氏の始祖と云われている。十二舘中10舘を攻め落とした破竹の勢いのアイヌ軍がなぜ敗北してしまったのか・・・なにか釈然としないものが残ります。
○○百選と云った括りは兎角コンプリートしたい誘惑に駆られるモノですが、御多分に漏れず日本100名城もスタンプラリーをやっとります。そうそう!海豹舎の『温泉番長ほっかいどう』はBook1【基本級】x50・Book2【番長級】x50で合わせて100か所、容易に情報の得られない温泉が選抜されている。『番長百名湯』とでも申しましょうか。憚りながらあたくしの場合・・止宿を旨としとりやして55入湯と達成率は低う御座いますが、惜しまれつつも廃業した宿も多く何れもが燦然と輝く素敵な思い出と成っております。2020年夏、オリンピックと共にやってくる“大幅刷新『帰ってきた~温泉番長ほっかいどう』 Book1、Book2。新たにどんな温泉がリストアップされているのか実に楽しみで有りますな。
資料館はスタンプ設置場所にも成っている。スタンプを押した人は、根室市観光インフォメーションセンターで数量限定の[根室半島チャシ跡群到達記念ポストカード]が貰えるそうで、メモ紙をもらい、やおら押してみる。館内は歴史・自然資料やチャシのジオラマの展示、そして本で見覚えのある初田牛20遺跡の土偶がもてなしてくれる。横に結い上げているという髪型とサザエさん的な手首の角度が何とも愛らしい。
土偶でひと言。道内唯一の国宝・中空土偶の『カックウ』は、ラグビー日本代表のリーチマイケルキャプテンに似ていると思う。南茅部支所職員の方はカックウにユニフォームを着せてワールドカップ応援に行って欲しかった。なんならリーチさんに中空土偶のボディーペイントを頼んでイベントに出席してもらうのも一興ではあるまいか。な~んて怒られますね。カックウには縄文のキャプテンとして世界遺産登録というトライを決めてほしいです。とかって(笑)。