001:大統領の密使/大統領の晩餐、NAGI-78、Coralway-184

大統領の密使/大統領の晩餐●小林信彦●フリースタイル(下北沢)
2019年8月10日発行●182mm×105mm/470page●1800円+tax
一冊目はフリースタイルの吉田保がライフワークとして発刊し続けている小林信彦コレクションの第3弾。まず、ペーパーバックスタイルってのがかっこいいんだよなぁ。本文は2段組み。前回、おいらがフォントのことで苦言を呈したら(笑)、とことん真面目な吉田保氏。ちゃんと読みやすく改良していたりして、恐れ入りました。カバーイラカトは江口寿史、挿絵は小林泰彦、解説は法月綸太郎。と、めちゃめちゃ豪華なのに、ジャケットイラストが江口寿史なことが目立つようにクレジットされていないところが贅沢すぎるというか、なんというか。やるなぁ、吉田保。ちなみに、おいらがこの本で一番好きな頁はジャケットと4page。フォントがかっこよすぎる。たまらんねぇ。内容は・・・ビバ、オヨヨ!!

季刊NAGI●78号●月兎舎(三重県)
2019年9月1日発行●B5版/104page(カラー72page)●654円+tax
NAGIの2019年秋号の特集は「NAGIライター行きつけの店」。「行きつけ」って言葉も「ライター」って言葉も野暮ったくて嫌いなおいらとしては、タイトル最悪だなぁと思ってしまったけど、これがいいんよ。紹介されている店の写真が、どれも笑顔であふれているんだ。笑っちゃったのは最後の一軒。女子が好きそうな気取った店が次々に紹介された最後に、発行人の吉川和之が、ちょっと申し訳なさそうにして「親子で営む普通の定食屋さん」を紹介しているんよ。しかも、お薦めメニューは「ちょっと甘めのカツカレー」。いいなぁ。おいらはこの路線だけで特集を乗り切ってほしかったと思うよ。ちなみに、伊勢うどんも甘いし、赤福も甘いし、三重県ってなんでも甘めなので、甘さに慣れた伊勢人が「ちょっと甘め」と紹介するってことは、むふふ。このカツカレー、かなりの甘口とみたね。吉川和之の性格そのままに、きっちり季刊で出し続けて78号。すごいなぁ。おいらもいつか季刊誌を出してみたいよ。白木哲朗くんがそーいうキッチリしたことに向いてないと判明した時点であきらめちゃったけどね(^_^.)。

Coralway●2019年9/10月号●編集室りっか(千駄ヶ谷)
2019年9月1日発行●AB版/66page(オールカラー)●457円+tax
石垣空港と那覇空港や羽田空港を結ぶJTA、日本トランスオーシャンの機内誌は沖縄で発行しているとクレジットされているけど、実際は千駄ヶ谷の小さな編集室で作られているのだ。今回の特集は宮古島の南にある多良間島の八月踊り。レポートしているのは「猫のダヤン」の池田あきこで、撮影は横塚真己人。おいらの記憶に間違いがなければイリオモテヤマネコなど夜行性の野生動物の撮影のスペシャリストだ。ほかにも琉球王国時代から続く那覇の大綱挽、沖縄県最北端の島、伊平屋島の特集などなど、沖縄好きにはたまらない内容なり。かつては椎名誠や池澤夏樹も執筆したこの素晴らしい雑誌においらも一度だけ参加させてもらったことが誇らしいのであります。もうないだろうなぁ。大御所カメラマンのタルケンさんと喧嘩したからなぁ。ことの発端は石垣島にあるタルケンさんの行きつけの店に飲みに行って、おいらが名刺入れを落としてしまったことなんよ。エゾシカ革の名刺入れで、中には取材相手の名刺がごそっと入っていたので、戻らないと困るってんで、店のママにお願いしたら、何かの手違いがあったらしくて、いつまでたっても届かないのさ。ママに電話したら「送ったよ」って言うので、その言葉を信じてあきらめていたら、タルケンさんが「てめーっ、人を疑うのか!? いい加減にしろ!!」って一方的にぶち切れてきたって寸法。誰も疑ってないのにね。で、大人のおいら。関係修復をってんで、タルケンさんがスイッチから写真集を出した折、「あざらしも来い」と呼ばれたので、おいら、タルケンさんのトークショーを見るためだけに沖縄まで行ったのに、「打ち上げにあんたは来るな」って冷たく言われたのさ。今度はこっちがぶち切れたね。そりゃそうでしょ。仕方ないので、一緒に見に行った新城和博と、やちむんと、川満しぇんしぇいと男4人で飲んで、それはそれで楽しかったんだけどさ。最後は、川満しぇんしぇいと二人で飲み歩いたもんね。川満しぇんしぇいって沖縄では知らない人はいない超有名ローカルタレントね。そんなわけで、長くなってしまったけど、タルケン御大の写真もいっぱい載っているCoralway、面白いから読んでみてね!!