041:三重県のNAGIが創刊20周年を迎えたのです!!

「真面目だなぁ」と言われて「てへへ」なんて笑う人は根っこのあたりでは真面目じゃないわけで、本当に真面目な人は「真面目だなぁ」と言われると「そんなことねーよ。これでもユーモアのセンスには自信があって」などと本気で怒ったりうろたえたり否定するものなのだよ。三重県伊勢市で季刊NAGIを発行している月兎舎の吉川和之はとことん真面目な男だ。何しろ、通巻80号でジャスト20周年だもんね。季刊なので年4冊×20年=80号。一度もごまかすことなくキッチリ出し続けてきたってわけさ。すごいなぁ。真面目だなぁ。まるで仕事みたい。そうか、仕事なのか。見習わなくては。
吉川和之の真面目さは毎号の気取った誌面にも見事に反映されている。いい加減な男が昼から氷結を飲みながら作っている北海道いい旅研究室とは全く相いれないほどの違いがそこにある。今回だって鼎談の頁の写真には「おいおい、勘弁しておくれよ」と思わず言葉にして突っ込んでしまったほどの「こっぱずかしさ」が漂っていて、なんだろう。「鼎談の頁のレイアウトはこうあるべきである」みたいな「こうあるべき思考」に支配されてしまっているのかなぁ、それって、思考停止だよなぁ、などと思ったりもしたのだけど、じゃあ、NAGIという三重県のローカル雑誌が嫌いなのかというと大好きで信用しているし、吉川和之という編集者が嫌いなのかというと、大好きで、またそろそろ男ふたり旅でもしてみたいなぁと思っているのだから、人間ってやつは白黒の二分律じゃないところに救いがあると納得してしまうのでした。
その季刊NAGIの創刊20周年記念号の特集はハンドメイド。漆椀や木工、陶器、藍染、鍛造刃物などなど、三重県の職人たちの仕事っぷりや作品が気取ったレイアウトで紹介されている。そうそう、NAGIの判型はB5版だ。これがいい。A版全盛のご時世にB5を貫く。古き良きタウン誌の血脈が感じられて好きだなぁ。
もうひとつの特集がNAGIの20年を振り返る企画。全80冊の表紙が並ぶレイアウトがいい。そういえば、月兎舎の編集室に遊びに行ったら、入るとすぐに表紙のパネルがお洒落なレイアウトでずらーっと飾ってあってかっこよかったなぁ。自分の本の表紙が自信があるんだね。いいなぁ。素敵だなぁ。で、読み進めたら、あらら。おいらのことが書いてあるじゃないの!! くぅ~っ、こっぱずかしい~。というわけで、あざらしもちょこっと登場する季刊NAGI、税込720円、たぶん、月兎舎のホームページhttps://www.i-nagi.comで買えると思うので、買っておくれよ。そして、もう一冊!!

その季刊NAGIに連載していた「ぼくの芦浜闘争記」が一冊の本になった。題して「原発の断り方」。うーん、いいタイトルに化けたね。これは1980年代、三重県の熊野灘に原発計画が持ち上がった時に地元の漁師たちが海上デモをしたりして反対したり、81万人分の署名を集めたりして、芦浜原発を白紙撤回するまでとそのあとのノンフィクションなんだけど、何がすごいって、自民党の三重県議会議員団長が、県議団による現地調査をした結果、これは絶対に作ったらだめだと本能的に気付いて、政府自民党や知事相手に白紙撤回を迫るんよ。20年前までは自民党にも骨があるおっさんがいっぱいいたんよね。政権に背いてでも地域を守ることこそが保守本流の仕事であるとわかっていたんだね。お見事。そんな一冊です。オーガニックがどうのとか気取った誌面だけじゃないもんねという吉川和之の男気がさく裂したこの一冊。今までは原発から目を背けて政府の言いなりになっていたくせに311後に急に慌てて福島がどーしたこーしたと騒いでいるバカたちは原発を推進し続けた福島を被害者に置き換えて同情する程度の脳味噌(廃止路線のラストランに駆けつけて寂しがるけど決してJR北海道批判はできないバカと同じおめでたい脳味噌)しかないからきっと読まないだろうけど、バカじゃないおいらは全面的に支持するぜ。

最近、ぶっ飛ばしすぎかなぁ。紙と違ってWebでのさじ加減がよくわからないから、「ぶっ飛ばし過ぎ」「ちょうどいい」「もっとぶっ飛ばして」のどれかを「なんでもどーぞ」のコーナーに送ってくれたら嬉しいな。参考にするからよろしくね。