019:コスプレ大好きchisaの映画日記その9・・・ジェーン・ドゥの解剖

こんばんは。雑誌「映画秘宝」の復活が嬉しいchisaです。コアなファンではないのですが、楽しみにしている映画の特集の時は必ず買って、わくわくしながら公開を待っていたりしていました。あとは「マッドマックス 怒りのデスロード IMAX3D」と「ヘレディタリー継承」の4DX上映も嬉しい。「怒りのデスロード」は当時上映期間を逃しちゃって、どうしても映画館で見たくてそのうち映画館で再上映されないかなぁって待って、その後上映された白黒版「ブラック・クロームエディション」だけ見ていたのですが。白黒で描かれた乾いた空気や澄んだ空、シャーリーズセロンの神々しいまでの美しさが強烈でした。「ヘレディタリー」は…4DXなんて怖いに決まってます!絶妙なタイミングで「あの音」が耳元で聞こえてきたら…わぁぁぁぁ💛週末はどちらを見に行くか迷います!
今週は2016年製作の「ジェーン・ドゥの解剖」を見ました。監督は「トロールハンター」「スケアリー・ストーリーズ」のアンドレ・ウーヴレダル。あらすじは、身元不明の若い女性の遺体を検死官の親子が解剖していくうちに怪異(素敵な言葉💛)に見舞われる…というものです。「ジェーン・ドゥ」というのは、身元不明の女性の事で男性は「ジョン・ドゥ」「ジョン・スミス」。日本でいう「名無しのごんべい」的な呼び方です。
オープニングはとある一家惨殺事件の現場。血まみれの死体があちこちに転がり、地下室には半分土に埋もれた状態で美しい身元不明女性の死体があります。この死体がぞっとするほど美しい。均整のとれた身体に細い腰、滑らかな青白い肌がとても印象的です。演じているのはオルウェン・ケリーというアイルランドのモデルさん。そんな彼女「ジェーン・ドゥ」が運び込まれたのは死体安置所と火葬場を営む検死官トニーとその息子オースティンの自宅兼仕事場です。「明日の記者会見までに死因の特定が必要だから、今夜中に解剖をしてほしい」と検死解剖を依頼されたベテラン検死官トニーと、恋人とのデートの約束が気になるオースティンは彼女の解剖を始めます。この解剖のシーンが好き。「誰しも秘密を隠し持っている」とトニーが一つ一つ丁寧に身体の外部と内部を確かめていくのです。性的なものがなく淡々と解剖が進んでいくのが逆にドキドキします💛なんだか歯医者さんで、淡々と口の中の状態を観察され記録されるのに近い恥ずかしさや緊張感を連想してしまいます。
まずは外部の検証を行います。傷一つない滑らかな皮膚に死後数日経ったであろう濁った瞳。手首と足首の関節を粉々に砕かれて、口を開くと奥歯の一部は抜かれ、舌は切り取られています。傍目から見ると何の変哲もない美しい脚なのに、足首を掴むとぐにゃりとなるところがぎくりとしました。逃亡を防ぐために手足を縛られ、喋れないように舌を切り取られたのではないか等と話しながら解剖は内側へと進んでいきます。白い肌にY字に静かにメスを入れると赤黒い血があふれ出し流れ落ちます。死後1~2時間の死体ならそのような事はあるが…と訝りながらも中を開くと、肺は真っ黒に焼けただれ、内臓にはまるで刃物を使ったかの様な無数の傷が…綺麗なままの外部から考えるとありえない状況です。
そして解剖が進むにつれ、トニーとオルウェンの周囲に異常な事が起こり始めます。鏡に映る不審な人影、蛍光灯は割れラジオからは嵐の警報が流れ、廊下では安置されていた死体に括り付けていた鈴の音が響きます。暴風で倒れた木に阻まれ外への扉は閉ざされ、彼らの居場所は恐ろしい閉鎖空間になってしまうのです。そして、とうとう彼女の身体に潜んでいた恐ろしい事実が明らかになります…。
見たのは2度目なので内容は知っているのですが…怖いです!見ている途中で、ちょうど雨が降ってきて風の音がごうごうと聞こえてきたのですが、それも怖かった!密室の…それも、死体安置所と火葬場と解剖室がある施設での密室なんです、怖いに決まってます。余計な効果音は最小限で、淡々と進んでいく解剖と、暴かれていく凄惨な事実がもう胸に迫ってきます。解剖のシーンなので、内臓や血が目に入りますが、スプラッターという感じではないのでそこまでグロテスクではありません。あ、でも苦手…という方はいるかもしれないです。ナタでぶしゃー!みたいな血しぶきやショッキングな場面はほとんどありませんが、ジェーン・ドゥの身体に隠された凄惨な記憶や、その根底にある憎悪と悲劇の連鎖が怖いです。昔ながらの怪談に近い恐怖を感じました。特にある登場人物が死ぬシーンなんか、お岩さんの怪談を思い出しちゃいました…怖かった!!でも好き💛