003:一年の計は・・・byどぶろく稔

「今年のスープ、何でいく?」
 「とんこつ!」と、東京の息子より連絡が入る。
 どぶろく家のおせち料理にラーメンが加わって何年に成るだろうか。
元日は、神棚にお供えした雑煮と御神酒を頂戴し、朝から呑み始める。盛り沢山の祝い肴、酒も三升ほど冷やしてある。「御神酒を呑んで酔うのは日常から離れ神様との交流を深める事」に成るそうで、酒呑みには誠にありがたい解釈であります。
全国各地の元旦中継を観ながら呑み進めると、昼前には酔いもまわって、昨日の年越蕎麦の残りで一度〆る。年賀状のバイクの音に目を覚まし再び呑む。肴はどぶろく家直伝の鯨汁を三平皿に。今年の塩くじらはチョイと小ぶりだね。
「芸能人格付けチェック」を横目で見ながらの『おいちょかぶ』が終わると、お待ちかね『今年のラーメン』のお披露目と成るのです。
 家人に蕎麦や雑煮が人気薄で鯨汁も敬遠されるという事もありますが、俺自身、中学の自由研究でラーメン屋台のバルサ板工作を作るほど、ラーメン好きなのもあって、心行くまで食ってみたいのです。
キャンプの時、好きな人は焚き火をしますでしょ。我々がよく行った浜辺のキャンプでは昼間から火を焚きます。馬鹿みてぇに泳いで冷えるので。
 その竈に、年期の入ったシュウ酸アルマイト鍋を乗っけとくと、夜の〆には本格的なラーメンが食えると云う訳です。
自宅のキッチンで、黒焦げの鍋を使うと「ヒナ臭ぇ」って不評でね。三年前に買ったんです。ズンドウ。満水容量21リッターの頼もしいヤツを。
 手に入れたズンドウは、随分とあずましい物なので、『2019今年のラーメン』には豚骨10本放り込んでみました。
難しいですねぇ、とんこつスープ。人気の家系を目指すも、あのコッテリ感がなかなか出ない。今年はゲンコツだけにしたのですが、いつかみたいに豚頭とか豚足を混ぜた方が素人には失敗が無いように思われます。根本的に火力とかもあるんでしょうね。
初めて白濁のとんこつラーメンを食べたのは平成3年頃。当時は琴似の都通りにあった『桑名』さん。同僚たちと社用車に分乗して随分と通いました。
 インスタントの『とっぱちからくさやんつきラーメン』しか、知らなかったですからねぇ。今考えると九州ラーメン熊本系とかになるんでしょうか。
その後開店した『山岡家』さんはシステムといい、匂いといい、斬新でした。
 匂いといえば、今はなき『我次郎』さんも同じような豚骨香が外までプ~ンと漂っていた。「味噌バターラーメン下さい」「無ぇ!うちはそんな下らねぇバター入れたラーメンなんて無ぇ!」なんて、気合の入った親父さんが客と遣り合ってたっけ。もう一度食べたいなぁ あの味噌ラーメン。
『いい旅』ではお馴染み定山渓『可楽』さんの塩ラーメン、あの澄んだスープも豚骨と野菜だけなのだそうです。ラーメンは奥深いですねぇ。
去年の外食ラーメン総数65杯。
2019松の内に食べたラーメンは11杯。
「一年の計は元旦にあり!!」