●不要不急の反対語って何だろう。調べてみると「重要緊急」とか「必要至急」とか言うらしい。今まで「不要不急じゃない」を使っていたけどこっちのほうがしっくりくるなあ。こんなご時世でも「県をまたぐ不要不急じゃない出張」ってあるもんで、そんな2月のとある出張の話しをひとつ。
●長野市、倉敷市、広島市の三カ所を2月18日と19日の2日間で回らなければいけなくなりまして。地図を広げて、うーむ遠い。タイムテーブルを見ると、うーむ飛行機は減便で飛んでない。松本空港も岡山空港も広島空港もまるっきり壊滅状態。どうしよう。でもここは発想の転換。空がダメなら陸があるじゃないの。旅にしちゃおう。てんでやってきました新千歳空港。連絡通路の下にクルマを置いて空港に行くと、ボードは欠航欠航で真っ赤っか。航空会社さんも大変だなって改めて痛感。JALさんの東京便は始発が9:00なので、今回はANAさんの7:30発ゴハン付きの席にしました。ワカサさんに触発されてJALもANAもダイヤ会員になっといたから、どっちも快適に乗れるのです。
●羽田空港からモノレールで浜松町、乗り換えて東京駅。北陸新幹線かがやきに乗って2駅で長野、昼過ぎに着いちゃいました。ゆっくり信州そばをいただき、レンタカーを借り、善光寺さんを横目で見ながら取引先に向かいます。本当なら小布施で栗を食って、渋温泉で温泉に浸かって、なんて考えるんだけど今回は別ルート。温泉は次にしようか。ソースカツも次回にしようか。ずるずると未練を引きずりながら夕方の新幹線で東京駅に戻りました。
●次の目的地、倉敷への移動手段は久しぶりの寝台特急サンライズ、B寝台シングル個室です。いつか乗りたいシングルデラックスも次回のお楽しみってことで。駅弁2個買って、お茶とコーヒー買って。売店は8時に閉まっちゃうので買い物はお早めに済ませまして。
●22時発のサンライズは21時半ころホームに入ってくるので 乗客は待ちきれずにみんなホームで待ってます。どっちから来るんですか?早く来ないかな。カメラを持ってウロウロ。寝台列車ほど人をワクワクさせる乗り物はありません。そしてもれなく「旅情」が付いてきます。むかしむかし、飛行機が苦手で寝台車ばかり乗っていた自分が懐かしい。北斗星なんて1日3本出ていたし、グランシャリオのパブタイムが楽しみだったり。憧れの夢空間北斗星なんて知らないんだろうな。
●ぷしゅー。扉が開くとそこは夢の世界です。みんなが好きな暗くて狭い胎内回帰の秘密の空間。まずはシャワーカード買って、検札を終えて、短い浴衣に着替えて弁当を広げます。今は酒は飲まないからお茶で流れる夜景に一人乾杯。
●ガタンゴトン。枕を通して直接伝わる振動は、寝台車特有な響きに感じます。時々通り過ぎる誰もいない駅の灯りは、どこか寂しげで物憂げに感じて。これが旅情っていうんかな。風の北国列車を思い出したりしちゃってさ。こんな高揚感と懐かしさと旅情の入り乱れた乗り物ってないもんなぁオイ。そんな入り乱れた感情でいつの間にか眠りについちゃうんですよね。ただ朝は洗面所が意外と戦場なので 早めに起きてハミガキすることをお勧めします。
●サンライズは岡山で出雲と瀬戸に分かれます。オレの目的地は倉敷なので岡山から一駅乗り過ごし現地精算します。おかげでサンライズの特急券寝台券が手元に残ってちょい嬉し。岡山や倉敷は数十回来ている馴染みの地。毎年数回来ているのです。倉敷駅でレンタカーを借りて、夜景がきれいなことで有名な水島工業地帯で商談をこなします。
●倉敷を後にしてレンタカーで160キロ先の広島の奥側の取引先までドライブです。周りには雪が残してて、スタッドレスにしといてよかったと痛感。お好み焼きを食べて午後イチから打ち合わせ。3時に終了。本来なら広島空港から帰るつもりが減便で断念。広島駅にレンタカーを返して新幹線。さて、新幹線で西に行くか東に行くか。今回は旅モードって決めてたんで、買い物ついでの福岡ルートを選択しました。広島から新幹線で博多へ。博多阪急の田舎庵で「せいろ弁当」と 「白焼き」 を購入。持ち帰りなら小倉本店じゃなくても全然OK。田舎庵って? 藤井の大好きな鰻屋さんなのです。
●博多駅から地下鉄2駅で福岡空港。17時発の乗継便で無事に札幌に戻ることができました。
そんな2月のとある出張は、 寝台列車一泊二日のなかなか壮大な、「県をまたぎまくった不要不急じゃない旅」だったのでした。早くみんな心底旅を楽しめる日が来るといいですね。いつか旅の空で会えるのを楽しみにしています。
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