024:砂漠でキャンプbyシンリン

みなさんこんにちは。シンリンでございます。今年のGWは有休を使わずに10連休という、旅好きにとって遠くに行くにはまたとないチャンスでしたが、どこかに行かれましたか? わたしは10連休が正式決定されて日本発着の航空賃が値上がりする前の昨年12月に航空券をサッサと手配し、GWの期間をフルに利用して、ナミビアに行ってきました。
行き先をナミビアにしたのは「砂漠でキャンプをしてみたい」という、ただそれだけの理由です。「砂漠でキャンプ」自体は10年以上前にゴビ砂漠(モンゴル)をゲルに泊まりながらオフロードバイクでツーリングするというツアーで経験済みなのですが、そこは砂漠といっても、見渡す限りの砂丘というよりは硬い砂礫で、ところどころブッシュが生えている大地という感じでしたし、ひたすら地平線に向かい、轍の交差する地面を転倒を繰り返しながら走り続けるだけだったので、砂漠感はあまり感じられませんでした。
今回も、さすがにひとり旅で砂漠キャンプができるほど度胸も自信もないので、現地発着のツアーに参加しました。千歳から香港を経由してヨハネスブルク(南アフリカ共和国)に直行し、そこから隣国であるナミビアの首都ウイントフックに飛ぶルートを選択。ヨハネスブルクは大都会なので、世界中の大都市と空路で結ばれていますが、さすがに日本からの直行便はないので、香港かシンガポールなどを経由すると乗換えも少なく最短で行けるような気がします。ウイントフックの国際空港到着ロビーにはメジャーなレンタカー会社のカウンターがズラリと並んでおり、欧米の観光客はほとんどレンタカーを借りていました。わたしも後になってわかるのですが、ナミビアは治安も良く、未舗装道路が大部分とはいえ、郊外に出れば交通量もほとんどないので、しっかりした4WDであれば自分で運転することも十分可能だと思いました。
砂漠でキャンプといってもサバイバルゲームではないので、わたしが利用したのはサバンナ(国立公園)にある、きちんと設備の整った、日本でいえばオートキャンプ場のようなところが大部分だったのでかなり快適でした。きちんとシャワーや水洗トイレも完備されていて、中にはプールが設置されているキャンプ場もありました。でも、快適なキャンプ場とはいえ、そこはサバンナの中なので、野生動物がうろうろしています。最初に泊まったキャンプ場では敷地内を野生のジャッカルがうろついていて、テントの外にサンダルを出しっぱなしにしていた人は夜中のうちにどこかに持ち去られていました。以前、道内のキャンプ場でキツネにサンダルを持っていかれたことがあったので、用心してテントの中に入れておいたのが大正解でした。そもそもジャッカル自体、まじまじと見たことがなかったので、至近距離で歩いている姿を見るだけで喜んでしまいましたが、人馴れしているのか、わたしたちの間を悠然と歩き、おびえる様子も全くなく、少々拍子抜けしたのも事実です。
キャンプ場の敷地は頑丈な有刺鉄線で囲まれているのですが、その柵の外側の池には野生のキリン、サイ、オリックスなどが水を飲みに集まってきたので、その光景もちょっと感動してしまいました。
地平線に囲まれたサバンナのキャンプ場ですから、夜空の美しさは格別です。真っ先に見つけるのは南十字星でしょうか。日本では八重山諸島などで冬から春にかけて水平線ギリギリに見ることが可能なのですが、何しろ空の低い部分にしか現れないので、ほとんどが雲に隠れてしまい、20回近く波照間島に行っているわたしでも、4つそろってきれいに見れたことは3~4回しかありません。そんな難易度の高い星座が、南半球では夜空の高いところに常に4つそろって輝いているのですから、ワクワクしないはずがありません。また、日本でもよく見えるオリオン座やさそり座などが、すべて日本と逆向きなのも面白いです。なので、毎晩のようにひとり星空観測会をしていました。
そんな感じで、いよいよ憧れのナミブ砂漠に行きました。以前、紅白歌合戦にここから中継参加した歌手もいたようですが、まさに「ザ・砂漠」という表現がぴったりの赤い砂丘が広がる光景は感動的でした。朝日が昇る前に、裸足で冷たい砂に足を取られながら砂丘を登り、息が切れたころにたどり着いた頂上付近から眺める日の出の光景、砂丘の頂上を境に広がる陰と陽の不思議な世界にしばし見とれていました。わたしが昇ったのは観光客用?の簡単な場所でしたが、ここを外れてさらに奥の広大な砂漠に一人で迷い込んだら二度と生きて戻るのは不可能だと思うと少し怖くなりました。
ナミビア自体、ドイツの植民地だったこともあり、訪れた各都市もヨーロッパの雰囲気があって治安もまあまあ良く、本当にここはアフリカ?というぐらい洗練されていてきれいでした。ナミビアはケニアやタンザニアと違って、サファリがメインの国でないので、数百頭のゾウの群れ、などというスケールの大きなものは期待できませんが、それでも、道路を横切るゾウの親子に遭遇したり、シマウマやキリン、チーターなどが木陰で昼寝をしている姿、ヒョウと狙われた小動物がにらみ合う緊迫した場面などを車窓から見ることができましたので、それなりに楽しめますし、何よりしっかりした4WDを借りれば自分でドライブも十分可能だと思われますので、次の旅の候補地に加えてみてはいかがでしょうか。(オマケ:現地から友人宛に出した葉書は未だ届かず・・・。たまにありますこういうこと・・・)