003:フリースタイル43/終らない物語/ずっとこの雑誌のことを書こうと思っていた

フリースタイル43編集・発行/吉田保フリースタイル
2019年10月10日発行A5版/112page本体888円+税
一冊目は吉田保が季刊と言い張るけど半年ぶりに出たフリースタイルの最新号。山上たつひこの連載小説をはじめ鏡明、和田尚久、とり・みきなどの連載陣も毎回面白いし、大根仁、いしかわじゅん、吉田豪らのミニコラムもPOPカルチャーの今を感じさせてくれて読みごたえがある。プラスして、エッセイのページも素晴らしい。執筆陣がいいんだ。中森明夫、宇田智子、片岡義男、亀和田武、そして、舘浦あざらし。あっ、自分だ。にゃはは。この並びで載る幸せ。ちなみに今回の亀和田さんのエッセイのタイトルは「子どものときも、年をとっても、俺は恥知らずさ。」。面白いです。そうだ、亀和田さんは次のいい旅用のエッセイ執筆のオファーを快諾してくれたのだった。楽しみだなぁ。亀和田さんのエッセイ。特集は選挙。吉田保がやりたかった特集なんだろうね。政治に期待するという気持ち、おれはなくしちまったなぁ。選挙の結果を見る度に日本人の半分はバカなことを思い知らされて、半分がバカな国でやる選挙には意味がないというか、むしろ選挙そのものが害悪だと感じる次第。アメリカも同様。イギリスもみんな同じか。世界は半分がバカなんだね。あ、あざらしのヌプントムラウシ温泉に向かう途中で鹿に激突した話、面白いよ。読んでね。

終らない物語片渕須直フリースタイル
2019年8月10日発行199mm×136mm/480page2200円+tax
分厚い本だ。37mm。480ページもあるんだけど、一気読みしちゃったよ。後半はつまらなくて読み飛ばした章もあるけど、前半がめちゃめちゃ面白いんだ。宮崎駿が屋久島の宿で暴れたり、ルーカス・フイルムのゲーリー・カーツやレイ・ブラッドベリが登場したりなんだりでスケールがでかいんよ。酔えます。「この世界の片隅に」は突然変異じゃなかったんだね。

ずっとこの雑誌のことを書こうと思っていた鏡明フリースタイル
2019年7月15日発行199mm×136mm/384page2200円+tax

不定期雑誌、もとい、季刊フリースタイルに連載していた「マンハントとその時代」の書籍化だ。世代的に、おいら、マンハントなんて読んだこともないけど、連載時の豊富なカラー図版はよかったなぁ。上質なポップカルチャーの香りが漂っていたよ。というわけで、フリースタイルの本ばかり3冊紹介しているのは同じ出版人としてうらやましいからだ。ダンボール表紙のハードカバーで本体2200円。そんな本、海豹舎は永遠に出せない気がするよ。それにしても、吉田保ひとりで、こんなにも立て続けに出版して、立派だよ。おいらはどうしちゃったんだろう。出したい本が山ほどあって、取材も完全に終わっているというのに、毎日なにを忙しそうにして生きているんだろうね。生活というウスノロを未だ乗り越えられずにいるよ。