001:竹富島カレンダーを知ってるかい?

ちょっぴり小難しい話から入るけど、すぐにフレンドリーになるので、最初だけ辛抱して読んでおくれよ。
 宮古島とその周辺の小島を含まない沖縄本島以南の島々を「八重山」と呼ぶんだけど、八重山は三つの自治体に分かれているのです。市長が県民投票からの離脱を表明して問題になっている石垣市と、与那国町、竹富町の1市2町なり。
 石垣市は石垣島、与那国町は与那国島なので、1島1市(町)でわかりやすいんだけど、北海道人&内地の人々が勘違いしてしまうのが竹富町なのだ。竹富町は竹富島のほかに、黒島、西表島、小浜島、鳩間島、新城島、波照間島といった有人島で成り立っているんよ。ちなみに、竹富町役場は竹富島じゃなくて、石垣島の離島ターミナル近くにある。本当だと、竹富町で一番土地がある西表島に建てるのが筋なんだけど、そうすると、小浜島の人が役場に行こうと思ったら、島間の直行便はないので、一度小浜島から石垣島に行って、そこから西表島に移動しないとだめなので、島民の負担を考えたら、石垣島に竹富町役場を建てるのが一番便利、という理由でそんなおかしなことになっているのでした。
 と、何故、こんな基本的な話を改めて説明しているのかと言うと、これから紹介する「竹富島カレンダー」が竹富島というひとつの小さな島のオリジナル事業であって、竹富町の事業じゃないところに価値があるから、なのです。北海道に置き換えたら、羽幌町と関係なく、焼尻島独自に焼尻島カレンダーを作っているのと同じことなので、それが、いかに情熱と行動力がいることか、焼尻島とか天売島の住人ならよーくわかるでしょ?

タイトルは「竹富島くらしごよみ2019」。1月は各家の屋根瓦に乗っているシーサーが31体(31日分)、2月はマンジュナイヌイルィチャ(パパイヤの炒め物)やンーヌイー(芋団子)など竹富島の料理やお菓子が28種(28日分)、3月はピーザ(山羊)やフダツベラー(ヤモリ)など島の動物たちが31種類・・・という具合に、月別に竹富島の自然や文化が日数分紹介されている。
※シーサーは神社の狛犬のように対になっていると思われがちだけど、竹富島でも、石垣島でも、昔ながらの瓦屋根が残っている古い住宅の屋根には一体しかシーサーがいないのです。なので、カレンダーに登場するシーサーもほとんどが一体だけのシーサーなのだ。
※山羊はウチナーグチだと「ヒージャー」という印象が強いけど、島によって少しずつ言葉が違っているんだね。竹富島ではピーザ。

5月はカイダー字という竹富島の先人が使っていた象形文字だし、巻末には「カラスが供物を食べるのは神様が祭を受け止めた証し」など、竹富島に伝わる俗説が紹介されていたりして、島好きにとってはたまらない興味津々の内容が盛りだくさんなのだよ。
このカレンダー、最初に作ったのが2017年で、文化庁からの助成金でほぼ島の人口分しか刷らなかったので、島民限定の幻のカレンダーになったんよ。さすがのおいらも手に入らずさ。去年は竹富島でバスの運転手をしている飲み仲間のゴローちゃんにお願いしてゲット。今年も早々に送ってもらえたのであります。ゴローちゃん、ありがとね!
奥付を読むと、文化庁からの助成がなくなったので、印刷費のメドすら立たなくて、一度は「もうやめよう」という話も出たけど、「いっぱい買うから作ってよ」「楽しみにしてるよ」という声に背中を押されて、じゃあ、写真は誰と誰、イラストは誰と誰、語り部は誰でいろいろと教えてくれるのは誰、という具合に、50人以上の島民が手弁当で参加する形で作られたんですと。いい話だなぁ。竹富島のみんなに拍手ぱちぱちーっ!!
欲しい人は竹富島に行くべし。
 えっ、そう簡単に行けないってかい。おいらも毎年泊まりに行っていたけど、去年は行けなかったからなぁ。どうしても欲しいって人は竹富島未来づくり実行委員会の市瀬健治さんに電話して訊いてみてね。☎080-5024-9207です。「風の噂で聞いたんですけど、竹富島くらしごよみカレンダーってまだありますか?」って訊いてみたら、ひょっとしたらまだあるかもよ。
という具合に、南の島が大好きなあざらしが作った本「北海道人のための南の島ガイドブック」をweb書店の「いい旅書房」で発売しているので、興味がある人は買ってくださいね。
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