018:明日はお好み焼きだね

朝からアスパラとり。先日は足したら200歳超えのおばあちゃん軍団と収穫したけど、今日はネパールから来た18歳のたばこ大好き少年と、逆L字型のおばあちゃんと3人で。人手不足は深刻だけど、3人張り切って持てる力を出し切った。最高齢のおばあちゃんが昨日くれた漬物を冷蔵庫に忘れていったので今日持ち帰ろうとすると、ビニール袋に「舟木へ」と書いてあった。船木を書き直して舟木となっていて、2年もいるのにまだ名前を憶えていないのだな、と思ったけど、いつも「白木」と呼ばれているし、これが年というやつかと一人優しい気持ちになった。最近来たネパールのたばこ少年の名前も、「アビーだ」と何度言っても、アジャ、アジャ、と言ってるので、死ぬまでに名前を憶えてもらおうと思った。
明日明後日と百姓屋の苗祭りで休むので、ハイエースに台車やコンテナや鎌を準備していると17:10になっていた。帰りに会った常務に「もう17:10か」と言うと、
「17:15でタイムカード書いとけよ、うち15分刻みだからな」とびっくりすることを言った。金払いが悪いことで有名な東川の丸美さんで働いていた逆L字型のおばあちゃんの言っていたことを思い出し、ここも少しずつ変わってきているのだなぁと思った。そこもここも人件費を安く抑えることに目を向けていて、地元の人は誰も来ないから、かえって高い派遣を使ったり、安く使える外国人労働者を使っていたりする。一次産業がそれじゃいかんだろうとぼくは思っているので、地元の人が納得する賃金で働けるのは最低限だと思う。そこのところを北海道全体でもっと考えないといけないと思う。農業大国とか食糧基地とか言うのなら。
家に帰ると母が家と道路の間にいつの間にか広がっていた芝桜の雑草抜きをしていた。明日は朝飯と弁当を作らなくていいので、久しぶりに川へ行ってみた。缶ビールと、うんこをしたくなったので紙も一緒に。1週間でこんなにかわるか、というぐらい草が生い茂り、河原の安らぎの地はイタドリが肩ぐらいの高さまで伸びていた。最近つくづく思うんだけど、川にうんこをするのは気持ちいい。天然水洗トイレだ。ナチュラルとかネイチャーとかこぎれいな言葉が好きな人は、まず川でうんこしてから言え、と言いたい。
川から戻ったら晩めしを作った。と言っても今日は焼き魚なので簡単楽ちんいれたら完了という手抜きの日。ふじスーパーで買った半額のブリカマとこまいを外で焼く。するとピンポンが鳴ったので出ると、ピンクの軽トラのあすかちゃんがいた。「キャベツをもらってちょ」とやってきた。母が出てきて大げさに喜ぶと、「もっともらってくれる?」と荷台からごろごろと追加を取り出した。この時の一瞬の女のやりとり的な社交辞令と押し付け合いの表情は実に深いものがあった。結局決まり手はあすかちゃんの「まだまだ70玉ぐらいあるから…」で、我が家には6玉が受け入れられた。軒先でも売っているけど、在庫過多なので、このあたりを行脚しているという。嬉しいけれど困っちゃう、こんなことが田舎ではよくある。とりあえず明日はお好み焼きだ。〈2019年5月24日記〉